夜の静寂(しじま)に

起きて・・・起きて・・起きて・・
夜半、微かな声が心をノックしています。
上着を羽織って庭に出ると、息を呑むほどの星々が漆黒の闇に瞬いていました。
海も山も眠る、月のない晴天の深夜。
庭に出した寝椅子に寝転び、毛布にくるまります。
星たちからの愛が、一斉に、矢のように降り注ぎます。
音の無い音楽が、心にも身体にも染み渡るとき、私たちの古い古い記憶が、身体の中心からそれに応えます。
私は、ここに、いる、と。
60兆の細胞がまるでミントの風に吹かれたように、爽やかに、爽やかに、清められていきます。

ついこの間まで、鈴を振ったように響いていた秋の虫も、いまや僅か1匹が残り、か細い声で鳴き始めました。
私は、ここに、いる、と。
星からの音楽は、ベッドに戻ってからも私を満たし続け・・・「存在」に抱かれ、整えられた自分を感じます。
目を閉じると宇宙は、私の内部にも、無限に無限に広がり亘り・・・
秋の夜長、あなたもどうぞ、良い夢を。
おやすみなさい
れべいゆ