花に想いを乗せて

 

「ちょっと、恋人に会って来るね~♪」

家人に声を掛けると決まって、「はぁい、どうぞごゆっくり。楽しんで来てー。」と返事があります。

 

私の恋人は、歩いてすぐのところに居て、どんなときでも優しく広い心で私を迎えてくれます。

朝、昼、晩、いつ会っても美しく、何度一緒に居ても、決して飽きることがありません。

 

ここまで書いたらもうバレているでしょうが、今の私の恋人は東シナ海さんです。

 

今年は海水温が高く、もう十月だというのに、まだまだ快適に泳げます…台風の被害や生態系への影響を様々考えると、あまり歓迎できることではないと思うのですが。

 

 

 

海面にポッカリと浮いて空を見上げれば、太陽の強烈なパワーが全身を包みます。

 

まさに、「空に吸われし、56の心」。

あなたも何か心に切ないモヤモヤがあれば、この青空に向けて放ってみて下さい。

 

太陽は笑いながら、「大丈夫だよ。越えられないことは決して起きないんだから。」と抱きしめて勇気をくれますから。

堤防の下に潜るとこんな感じ。まるで古代遺跡を探検しているみたいです。

 

こう言うと何だか、素敵なビーチの傍に住んでいるように見えるのですが、実はこの海で泳ぐ人なんか、だ~れもいません。

たまに釣り客が来ているだけ。

 

そして近所の元・漁師さんたちが、蛸網を仕掛けたり、海岸に流れ着いた海藻をテトラポットに干して畑の肥やしにするくらいで、他は滅多に海に近付く人がいないので、常に私のプライベートビーチになっております。

 

何故誰もここで泳がないのか…それは良く分かりません。

サメが出没するわけでもないし、昔はここいらに沢山いた子供達が、ふんどし一丁で一日中、泳いでいたそうです。

 

きっとただ単に、海水浴場でもない場所で白昼泳ぐアホな人が、子供達も含めて私の他にいない…というだけの事なのでしょう。

 

 

私の仕事で重要なことの大半は、絶対的な守秘義務です。

 

つまり、リーディングの中で聴いた話は、ただこの胸ひとつに秘め、お墓の中にまで持って行くということです。

 

良く、「しんどくならないか?」と尋ねられますが、私は海に全部託しています。海はいつでも受け取って、波で洗い、人の気の及ばない楽園にまで、悩みを全部運んでくれます。

 

大切な存在を亡くした…

 

打ち明けて下さった心の痛みも、それほどまでの大きな悲しみは、私のカードだけでは、到底拭い去れないことでしょう。

 

ですから時には花々に想いを乗せて、祈りと共に海へと放ちます。

 

あなたの心が、少しでも軽くなりますように…

今ある心の暗雲から激しい雨が降りつくし、

その後には必ず眩しい太陽が顔を見せてくれることを、

私は心から信じています。

 

 

 

れべいゆ