心の傷を光に変える絵

ある日の夜、長年の友人が俳句を送ってくれました。

 

ウクライナ国旗の色のシャツ選ぶ

 

ウクライナの国旗と言えば、青と黄色です。

今、平和を願う人たちが注目し、掲げている色でもあります。

 

青と黄色…

 

ふいに遠い記憶の中から、一枚の絵が蘇りました。

30数年前に見た夢に、ふいに出て来た抽象絵画です。

 

夢の中で私は、簡素な白い壁の美術館の中を速足で歩いていたのですが、ふとこの絵の前で足が止まりました。

 

それは青地に黄色いラインが3本描かれただけの絵で、題名は『Emotiional scars』心の傷とあります。

 

絵の前に佇んでいると、こんな声がしました。

 

「もっと前に。もっと近づいて。」

 

一歩、二歩と前に進むと、

 

「もっと前に、もっと前に。」と促されます。

 

絵に鼻先がくっつく程に近づいて、黄色い引っかき傷のような部分にジーッと目を凝らしてみると、黄色がどんどん広がって来ました。

 

「これは心の傷…怖がらないで入ってごらんよ。」…と声は囁きます。

 

ワッ!と思った瞬間、私は頭から絵に飲み込まれて、あっという間に向こう側の世界に立っていました。

 

 

そこは眩いばかりの黄色い光が溢れる空間で、安堵と暖かさに満ち溢れていたのです。

 

夢の中で私は、

「そうかぁ。心の傷は避けるのでなく丸ごと全身で入ってしまえば、自然とそこを通り抜けて、向う側へと行けるんだ。なぁんだ、そうなのか。」としきりと感心したのです。

そこで目が覚めました。

 

3月23日の春分の日は、昼と夜とがちょうど半々で、陰と陽のバランスが0で釣り合うために「宇宙元旦」と呼ばれています。

 

何かお正月らしいことをしたいと思った私は書初めのつもりで、昔見た夢の中の絵を再現してみました。

 

私たち人間は、無意識のうちに恐れを土台として生きています。

 

健康やお金、家や物、大切な人などを失う恐れ。

人から評価されず、見捨てられる恐れ。

自分や人を無条件で許し、愛することへの恐れ。

 

全ての戦争や奪い合いは、強さでは決してなく、その根底には恐れが潜んでいます。

 

この絵はそれらの恐れを飲み込み、光へと変換する装置なのかも知れません。


光を覆う青い闇を切り裂くのは、時に悲しみや苦しみでもある。

だから絶望や怒りは、光へと至る近道にもなり得ます。

 


奇しくも今日は天赦日、そして一粒万倍日が重なる大吉日。

天が全てを許し、私たちの心からの祈りを、全て叶えてくれる日です。

 

 

あなたも長年の心の重荷をこの光の中に投げ入れ、安らぎの中で寛いでみませんか…

 

 

 

れべいゆ